イタリアの首都・ローマは、「永遠の都」と称される通り、紀元前の古代から現代に至るまで、途切れることなく歴史と文化が積み重ねられてきた都市です。市内の至るところに遺跡や荘厳な建築物が点在し、歩くだけで“時間の旅”をしているような感覚になります。
本記事では、ローマの中でも特に人気があり、歴史的にも価値の高い3つの名所を紹介します。
コロッセオとフォロ・ロマーノ|ローマ帝国の栄華を肌で感じる
ローマを代表する遺跡といえば、コロッセオ(Colosseo)。紀元80年に完成したこの円形闘技場は、最大で5万人以上を収容可能だったといわれ、剣闘士同士の戦いや猛獣との闘いが繰り広げられていました。

コロッセオの内部には当時の観客席や地下施設の遺構が残されており、観光客は自由に見学できます。周囲に広がる**フォロ・ロマーノ(Foro Romano)**は、古代ローマ時代の政治・経済・宗教の中心だったエリアで、神殿や凱旋門の柱が点在しています。
特に有名な遺構には、セヴェルスの凱旋門、ウェスタの神殿、サトゥルヌス神殿などがあり、ローマ帝国の力強さと知性を象徴しています。
トレヴィの泉|願いを託す、バロック芸術の傑作
ローマ随一の観光名所として知られる**トレヴィの泉(Fontana di Trevi)**は、18世紀に完成したバロック様式の壮大な噴水です。高さ26メートル、幅20メートル以上のスケールを誇り、中央には海の神ネプチューンの像が立ち、水しぶきを上げる海馬が左右に配置されています。

この泉には、「背を向けてコインを1枚投げると再びローマを訪れられる」「2枚投げると恋が叶う」などの言い伝えがあります。観光客はみな、願いを込めて小銭を泉へ投げ込みますが、実際にこのコインは回収され、慈善活動に活用されているそうです。
泉の周辺は夜になるとライトアップされ、昼とはまた違った幻想的な雰囲気に包まれます。ぜひ、時間帯を変えて訪れてみることをおすすめします。
サン・ピエトロ大聖堂|世界最大級のキリスト教聖地
ローマ市内からヴァチカン市国へ足を運べば、世界最大のカトリック教会、**サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)**に出会えます。16世紀に建設が始まり、100年以上の歳月をかけて完成したこの教会は、ミケランジェロが手掛けたドームでも有名です。

教会内部は無料で見学可能で、入り口から見える壮大な身廊、バロック様式の装飾、そしてベルニーニの天蓋など、その荘厳さには誰もが息を飲みます。天井近くのドームに上れば、ローマ市街とサン・ピエトロ広場を一望でき、まさに「神に近づく瞬間」とも言える光景に出会えるでしょう。
ヴァチカン美術館にも隣接しており、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」など、世界的な芸術作品もあわせて楽しめます。
アクセスと観光のポイント
市内移動: ローマ市内は地下鉄(Metro)やバスで簡単に移動可能。観光客向けの「Roma Pass」を使えば、主要施設の入場+交通乗り放題。 ベストシーズン: 春(4〜6月)と秋(9〜10月)は気候が穏やかで観光に最適。 治安: 観光地周辺ではスリに注意が必要。荷物管理は常に意識を。
まとめ|ローマの空気を吸い込むだけで価値がある
ローマは「一日にして成らず」といわれる通り、数千年の歴史が折り重なった壮大な都市です。
ひとつの通りの先に神殿があり、角を曲がるとバロック建築が現れる。
時間の流れが混在するようなこの街では、ただ歩くだけでも学びがあり、発見があります。
世界中から人々が訪れる理由――それは、この街に立つだけで「人類の歴史」を体感できるから。
次の旅先に、ぜひローマを加えてみてください。