岐阜県北部に位置する飛騨高山は、「小京都」とも呼ばれる美しい町並みと、山里ならではの食文化、そして人々のぬくもりが魅力のエリア。
江戸時代の面影を色濃く残す町並みに、朝市の活気、名物飛騨牛の味わいまで、心がほどけるような旅を体験できます。
今回は、飛騨高山で特に人気の3スポットを巡る1日モデルコースを、写真とともにご紹介します。
1|まるで江戸時代へタイムスリップ|古い町並みを歩く
旅のはじまりは、言わずと知れた高山観光の中心地「古い町並み(三町伝統的建造物群保存地区)」から。

木造の町家が立ち並ぶ通りには、造り酒屋や味噌店、和菓子店などが軒を連ね、軒先には杉玉が下がっています。歩くたびに木の香りが漂い、どこを切り取っても絵になる風景です。
伝統建築に加え、近年では町家をリノベーションしたカフェや雑貨屋も増え、若い世代にも人気のエリアに。春の高山祭では豪華絢爛な屋台が通りを練り歩き、まさに“江戸の賑わい”を再現するかのようです。
町歩きの途中では、飛騨牛コロッケや五平餅など食べ歩きも楽しめるのがポイント。高山ならではの“観て・食べて・感じる”体験が詰まった場所です。
2|宮川朝市と川沿い散策|地元の暮らしと旬の味覚に出会う
古い町並みから歩いてすぐの場所にあるのが、毎朝開かれる「宮川朝市」。ここでは地元の農家や商人が、採れたての野菜や漬物、手作りの和菓子や民芸品などを並べて販売しています。

川沿いの道に連なるテントの下では、店主と訪れる観光客が気さくに言葉を交わし、朝の高山の空気がとても柔らかく感じられます。新鮮なりんごやほうれん草など、飛騨高原の恵みが並ぶ光景は、旅の気分を一気に盛り上げてくれます。
朝市で買った温かいみたらし団子やよもぎ餅を片手に、宮川沿いの散策へ。水音が心地よく、橋の上から眺める高山の風景は、まさに旅先でしか味わえない静かな癒しです。
3|夕暮れに染まる高山陣屋と飛騨牛の晩餐
午後には、古い町並みの端に位置する高山陣屋を訪れてみましょう。ここは江戸時代に幕府直轄地を管理するための役所として使われた建物で、全国で唯一現存する“陣屋”です。

当時の政務室や御白州(裁きの場)、米蔵などが公開されており、解説を読みながら歩くと江戸時代の暮らしと統治の仕組みがリアルに想像できます。
そして夕方、高山の旅を締めくくるのは、やはり飛騨牛のディナー。霜降りが美しく、甘みのある肉質は全国でも評価が高いブランド牛。焼肉・しゃぶしゃぶ・ステーキなど、地元の名店でじっくり味わうのが至福のひとときです。
飛騨牛の炙り寿司やローストビーフ丼など、カジュアルに楽しめるお店も多く、グルメな旅人にも満足度の高いエリアです。
高山旅の便利情報|アクセス・宿泊・食
■ アクセス
名古屋→高山:特急「ひだ」で約2時間30分 東京→高山:新幹線+特急で約4時間30分(名古屋経由) 松本→高山:バスで約2時間
■ 宿泊エリア
高山駅周辺:ホテル・旅館ともに充実、観光拠点に最適 古い町並み近く:町家風の旅館やゲストハウスが多く情緒◎ 奥飛騨温泉郷:1泊足を伸ばせば秘湯の温泉旅も楽しめる
■ グルメおすすめ
飛騨牛:ステーキ・寿司・朴葉味噌焼きなど多彩な楽しみ方 高山ラーメン:あっさり醤油スープのご当地麺 漬物ステーキ:飛騨地方独特の味わい、冬にぴったり
■ 予約サイト
楽天トラベル:飛騨路周遊プランや宿+JRパックも充実 じゃらん:朝市周辺の宿や食事重視で検索しやすい 一休.com:町家宿や高級旅館も掲載
まとめ|飛騨高山で感じる“和の余白”と、旅の原点
高山は、ただの観光地ではありません。
そこには、時が止まったような風景と、温かい人々の暮らしが共存し、訪れる人の心をゆっくりと解きほぐしてくれる力があります。
江戸の香り漂う「古い町並み」 地元の息づかいに触れる「宮川朝市」 文化と味覚を堪能する「高山陣屋と飛騨牛」
この3か所を歩くだけでも、十分に“飛騨の深さ”を感じることができます。
次の旅には、ぜひこの静かで力強い町・高山を訪れてみてください。
あなたの中の「旅の本質」が、きっとここで見つかるはずです。